五十肩治るまでの期間を知って不安解消!酷くなるとどうなる?改善策まとめ

「五十肩ってどのくらいで治るの?」「悪化するとどうなるの?」と不安を抱えていませんか? 五十肩は、中高年に多く発症する肩関節周囲炎の俗称で、肩の痛みや動きの制限によって日常生活に支障をきたすことがあります。 本記事では、五十肩の症状や原因、そして気になる治るまでの期間を急性期、慢性期、回復期の3つの段階に分けて詳しく解説します。 さらに、五十肩が悪化すると日常生活にどのような影響が出るか、夜間痛の悪化や関節拘縮のリスクについても解説。五十肩の改善策として、医療機関で行われる薬物療法、注射療法、理学療法に加え、自宅でできるストレッチ、温熱療法、運動療法についても分かりやすくまとめました。五十肩の予防法も紹介しているので、早期改善や再発防止に役立てていただけます。この記事を読むことで、五十肩に関する不安を解消し、適切な対処法を理解して一日も早く快適な生活を取り戻すための一助となるでしょう。

1. 五十肩とは?

五十肩は、正式には肩甲上腕関節周囲炎と呼ばれ、肩関節周囲の組織の炎症によって引き起こされる痛みやしびれ、運動制限を特徴とする疾患です。40代から50代に多く発症することから「五十肩」という俗称で広く知られていますが、実際には30代や60代でも発症する可能性があります。明確な原因が特定できない場合も多く、一次性肩甲上腕関節周囲炎と呼びます。一方、明らかな原因が特定できる場合は二次性肩甲上腕関節周囲炎と呼ばれ、例えば腱板断裂や石灰沈着性腱板炎などが挙げられます。加齢に伴う肩関節周囲の組織の老化や、肩関節の使い過ぎ、外傷などが発症の誘因となると考えられています。また、糖尿病や甲状腺機能低下症などの基礎疾患が関連している場合もあります。日常生活における動作の制限や痛みにより、生活の質が低下する可能性があるため、適切な診断と治療が重要です。

1.1 五十肩の症状

五十肩の主な症状は、肩の痛み、運動制限、そしてしびれです。痛みの程度や範囲、運動制限の度合いは個人によって大きく異なります。初期段階では、肩を動かした時にのみ痛みを感じることが多いですが、症状が進行すると安静時にも痛みを感じたり、夜間に痛みが強くなる夜間痛が出現したりする場合があります。また、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。症状がさらに悪化すると、髪をとかしたり、服を着たりするといった日常の動作も制限されるようになり、患側の腕を動かさなくなることで肩関節の動く範囲が狭まり関節拘縮の状態になることもあります。しびれは、肩から腕、手にかけて広がるように感じることが多く、神経が圧迫されることで起こると考えられています。これらの症状は、炎症の程度や期間、個々の体質などによって変化するため、症状に合わせた適切な治療が必要です。

1.2 五十肩の原因

五十肩の明確な原因は未だ解明されていませんが、いくつかの要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。主な要因としては、加齢に伴う肩関節周囲の組織の老化、肩関節の使い過ぎ外傷不良姿勢運動不足などが挙げられます。加齢により、肩関節周囲の腱や靭帯、滑液包などの組織が柔軟性を失い、炎症を起こしやすくなります。また、スポーツや仕事などで肩関節を過度に使用したり、外傷を負ったりすることで、肩関節周囲の組織に負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があります。デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることによる猫背などの不良姿勢や、運動不足も血行不良を引き起こし、五十肩の発症リスクを高めるとされています。さらに、糖尿病や甲状腺機能低下症などの基礎疾患が五十肩の発症に関連している場合もあります。これらの要因に加えて、遺伝的要因精神的ストレスなども影響している可能性が指摘されています。

分類原因詳細
一次性明らかな原因が特定できない加齢による変化、使い過ぎ、外傷などが複合的に影響
二次性明らかな原因が特定できる腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、骨折など

2. 五十肩治るまでの期間

五十肩の痛みや可動域制限は、自然に治癒していく経過をたどりますが、その期間には個人差があります。一般的には、数ヶ月から数年かかるといわれており、平均的には1~2年で治癒するケースが多いです。しかし、適切な治療やセルフケアを行うことで、症状の改善を早め、治癒までの期間を短縮することが可能です。

2.1 五十肩の経過と期間

五十肩の経過は、炎症が強い急性期、痛みが続く慢性期、そして回復期と、大きく3つの段階に分けられます。それぞれの期間と症状の特徴を理解することで、適切な対処法を選択し、治癒を促進することが重要です。

時期期間症状主な治療法
2.1.1 急性期数週間~数ヶ月強い痛み 炎症による腫れや熱感 夜間痛 可動域制限の始まり痛み止め(内服薬、外用薬) 炎症を抑える薬 安静 アイシング
2.1.2 慢性期数ヶ月~1年鈍い痛み 強い可動域制限(腕が上がらない、後ろに手が回らないなど) 日常生活への支障 筋肉の萎縮温熱療法 ストレッチ 運動療法 理学療法(物理療法、作業療法)
2.1.3 回復期数ヶ月~1年痛みが徐々に軽減 可動域の改善 日常生活動作の回復継続的なストレッチ 筋力トレーニング 再発予防のための運動

2.2 痛みが長引く場合

五十肩は自然治癒する疾患ですが、3ヶ月以上経過しても痛みが改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みや可動域制限がある場合は、医療機関への受診が必要です。医師の診断のもと、適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、治癒を促進することができます。整形外科、リハビリテーション科、ペインクリニックなどが五十肩の治療に対応しています。自己判断で治療を中断せず、医師の指示に従うことが大切です。また、他の疾患の可能性も考えられるため、自己診断せずに専門医に相談することをおすすめします。例えば、頸椎症や腱板断裂などが五十肩と似た症状を示すことがあります。適切な診断と治療を受けることで、より早く日常生活を取り戻すことができます。

3. 五十肩が酷くなるとどうなる?

五十肩を放置したり、適切な治療を受けなかったりすると、症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。痛みや可動域制限がさらに悪化することで、様々な問題を引き起こすため、早期の適切な対処が重要です。

3.1 日常生活への影響

五十肩が酷くなると、日常生活の様々な動作が困難になります。例えば、以下のような動作に支障が出ることがあります。

動作具体的な影響
着替えシャツを着たり、下着を着脱したりする際に肩が上がらず、時間がかかったり、一人ではできなくなったりする。
髪をとかす、結ぶ腕を上げることが難しいため、髪をとかしたり、結んだりすることが困難になる。
入浴体を洗う、シャンプーをするなどの動作が制限される。
食事箸やスプーンを口に運ぶ動作がスムーズにできなくなる。
運転ハンドル操作やバックミラーの確認が難しくなる。
就寝寝返りを打つ際に痛みが出たり、痛みのせいで寝付けなかったりする。
仕事パソコン作業、書類整理、電話応対など、様々な業務に支障が出る。特に、デスクワークや力仕事に従事している方は大きな影響を受ける。
家事洗濯物を干す、掃除機をかける、料理をするなど、家事全般が困難になる。

3.2 夜間痛の悪化

五十肩の特徴的な症状の一つである夜間痛は、症状が悪化するとさらに激しくなります。安静時や就寝時に強い痛みを感じるようになり、睡眠不足や疲労の原因となることもあります。寝返りを打つだけでも激痛が走るようになり、日常生活にも大きな影響を及ぼします。

3.3 関節拘縮

五十肩がさらに進行すると、関節拘縮が起こる可能性があります。関節拘縮とは、関節が硬くなって動きにくくなる状態のことです。肩関節の可動範囲が著しく制限され、腕を上げたり、回したりすることがほとんどできなくなります。関節拘縮は、日常生活に深刻な影響を与えるだけでなく、治療にも長期間を要するため、早期の対処が重要です。場合によっては、手術が必要となるケースもあります。

関節拘縮は、肩関節周囲の組織の炎症が長引くことで、関節包や靭帯、腱などが癒着したり、硬化したりすることで起こります。一度拘縮が進行すると、自然に改善することは難しく、積極的なリハビリテーションが必要となります。

4. 五十肩の改善策

五十肩の改善には、医療機関での治療と自宅でできる改善策があります。症状や進行度に合わせて適切な方法を選びましょう。

4.1 医療機関での治療

医療機関では、五十肩の症状や原因に合わせて様々な治療法が提供されます。主な治療法は以下の通りです。

4.1.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が処方されることがあります。ロキソニンやボルタレンなどが代表的な薬です。また、痛みが強い場合には、ステロイド剤を内服することもあります。

4.1.2 注射療法

炎症や痛みを抑えるために、肩関節に直接注射を行う方法があります。ステロイド注射やヒアルロン酸注射などが用いられます。ステロイド注射は炎症を抑える効果が高い一方、副作用のリスクもあるため、医師と相談の上で慎重に判断する必要があります。ヒアルロン酸注射は関節の動きを滑らかにする効果が期待できます。

4.1.3 理学療法

理学療法士による指導のもと、肩関節の可動域を広げるための運動やストレッチ、温熱療法などを行います。理学療法は五十肩の改善に非常に重要であり、痛みの軽減だけでなく、肩関節の機能回復にも効果的です。具体的な内容は個々の症状に合わせて異なりますが、肩甲骨の動きを改善する運動や、肩関節周囲の筋肉を強化するトレーニングなどが行われます。その他、超音波療法や電気刺激療法などの物理療法も用いられることがあります。

4.2 自宅でできる改善策

医療機関での治療と並行して、自宅でもできる改善策を取り入れることで、五十肩の改善を促進することができます。ただし、痛みがある場合は無理に行わず、医師や理学療法士に相談しながら行いましょう。

4.2.1 ストレッチ

肩関節周囲の筋肉の柔軟性を高めることで、肩の可動域を広げ、痛みを軽減することができます。タオルを使ったストレッチや、壁を使ったストレッチなど、様々な方法があります。インターネットや書籍などで自分に合ったストレッチを探し、無理のない範囲で行いましょう。入浴後など体が温まっている時に行うと効果的です。ただし、痛みを感じる場合は無理に伸ばさないように注意しましょう。

4.2.2 温熱療法

温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が緩和され、痛みが軽減されます。温湿布やホットタオル、お風呂などで温めることができます。温熱療法は痛みが強い急性期にも有効です。ただし、炎症が強い場合は冷やす方が効果的な場合もあるので、状況に応じて使い分けましょう。

4.2.3 運動療法

肩関節の可動域を広げ、筋力を強化するための運動療法も効果的です。振り子運動やゴムチューブを使ったトレーニングなど、様々な運動があります。痛みを感じない範囲で、無理なく行うことが大切です。運動療法は慢性期や回復期に特に有効です。急性期に激しい運動を行うと症状が悪化することがあるので注意が必要です。下記の表に運動療法の例をまとめました。

運動方法効果
振り子運動体を前かがみにし、腕をだらりと下げて、前後に小さく揺らす。肩関節の可動域を広げる。
ゴムチューブを使ったトレーニングゴムチューブを固定し、引っ張ることで肩周りの筋肉を鍛える。肩関節の安定性を高める。
壁登り運動壁に手をつけ、指を少しずつ上に登らせていく。肩関節の可動域を広げる。

これらの改善策は、症状や進行度によって適切な方法が異なります。自己判断せず、医師や理学療法士に相談しながら、適切な治療と改善策を行いましょう。五十肩は自然に治癒する傾向がありますが、適切なケアを行うことで、治癒までの期間を短縮し、後遺症を残さず治すことができます。

5. 五十肩の予防法

五十肩は、加齢とともに発症リスクが高まるものの、適切な対策を講じることで予防、あるいは症状の悪化を防ぐことが可能です。日々の生活習慣を見直し、積極的に予防に取り組みましょう。

5.1 適切な姿勢の保持

猫背や前かがみの姿勢は、肩関節周辺の筋肉や靭帯に負担をかけ、五十肩のリスクを高めます。正しい姿勢を意識することで、肩への負担を軽減し、五十肩の予防につながります。 デスクワーク中は、椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばし、モニターの位置を目の高さに調整しましょう。また、長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うように心がけてください。

5.2 適度な運動

肩関節周りの筋肉を強化することで、肩関節の安定性を高め、五十肩の予防に効果的です。ウォーキングや水泳などの全身運動に加え、肩甲骨を動かす体操やストレッチを習慣的に行うことが重要です。 過度な運動は逆効果となる場合があるので、自分の体力に合わせた無理のない範囲で行いましょう。痛みを感じた場合は、すぐに運動を中止してください。

5.2.1 肩甲骨を動かす体操の例

  1. 両手を肩に置き、肘で円を描くように前後に回します。
  2. 両手を前に伸ばし、肩甲骨を寄せるように胸を張ります。
  3. 両腕を上げて、頭の上で手を組んで伸ばします。

5.3 血行促進

肩関節周辺の血行不良は、筋肉や腱の柔軟性を低下させ、五十肩の原因となることがあります。入浴やマッサージ、温湿布などで血行を促進し、肩関節周辺の組織を温めることは、五十肩の予防に役立ちます。 特に、冷えやすい方は、シャワーだけでなく湯船に浸かる習慣を身につけ、身体を芯から温めるようにしましょう。また、適度な運動も血行促進に効果的です。

5.4 栄養バランスの良い食事

健康な身体を維持することは、五十肩の予防にもつながります。 栄養バランスの良い食事を心がけ、特に、筋肉や骨の形成に必要なタンパク質、カルシウム、ビタミンDなどを積極的に摂取しましょう。また、抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eなども、肩関節の炎症を抑える効果が期待できます。

栄養素期待できる効果多く含む食品
タンパク質筋肉の修復と構築肉、魚、卵、大豆製品
カルシウム骨の形成と維持牛乳、チーズ、ヨーグルト、小魚
ビタミンDカルシウムの吸収促進魚、きのこ類
ビタミンA抗酸化作用、免疫力向上レバー、にんじん、ほうれん草
ビタミンC抗酸化作用、コラーゲン生成柑橘類、いちご、ピーマン
ビタミンE抗酸化作用、血行促進アーモンド、アボカド、植物油

5.5 適切な睡眠

睡眠不足は、身体の回復力を低下させ、五十肩の悪化や慢性化につながる可能性があります。質の高い睡眠を十分に取ることで、身体の疲労を回復し、肩関節の炎症を抑える効果が期待できます。 毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にカフェインを摂らない、快適な睡眠環境を整えるなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

5.6 ストレス管理

ストレスは、筋肉の緊張を高め、血行不良を招き、五十肩の症状を悪化させる要因となります。ストレスを適切に管理することは、五十肩の予防だけでなく、健康維持にも重要です。 趣味やリラックスできる活動、適度な運動などを取り入れ、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。また、必要に応じて、専門機関に相談することも有効です。

これらの予防法を実践することで、五十肩の発症リスクを軽減し、健康な肩関節を維持することができます。日々の生活習慣を見直し、積極的に予防に取り組みましょう。

6. まとめ

五十肩は、中高年によく見られる肩関節周囲炎で、肩の痛みや運動制限を引き起こします。自然治癒することもありますが、治るまでの期間は個人差があり、急性期、慢性期、回復期の3つの段階を経て、数ヶ月から数年かかることもあります。五十肩が酷くなると、日常生活への支障や夜間痛の悪化、関節拘縮といった症状が現れる可能性があります。

五十肩の改善には、医療機関での治療が有効です。薬物療法、注射療法、理学療法など、症状に合わせた治療法があります。自宅では、ストレッチ、温熱療法、運動療法などが効果的です。痛みが強い場合は無理せず、医療機関を受診しましょう。五十肩は早期発見・早期治療が重要です。また、日頃から肩周りのストレッチや適度な運動を行うことで、予防することも可能です。この記事で紹介した情報をもとに、適切な対処を行い、健康な生活を送る一助としてください。

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