四十肩と五十肩の違いとは?症状・原因・語源から徹底解説!

「四十肩」と「五十肩」、どちらも肩の痛みを表す言葉としてよく耳にしますが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか? このページでは、四十肩と五十肩の違いを、症状・原因・語源といった様々な側面から徹底的に解説します。具体的には、それぞれの正式名称や定義、特徴的な症状、発症年齢の目安、症状の重さや期間の違いなどを分かりやすく説明します。また、肩の痛み始めに見られる初期症状から、日常生活への影響が大きい中期症状、そして回復期に見られる後期症状まで、症状の進行についても詳しく解説。さらに、夜間痛や可動域制限といった共通の症状に加え、異なる症状についても言及します。原因についても、加齢による肩関節周囲の組織の老化や、姿勢の悪さ、運動不足といった生活習慣の影響、遺伝的要因や外傷、病気との関連性などを詳しく解説。そして、なぜ「四十肩」「五十肩」と呼ばれるようになったのか、その語源や言葉の由来にも迫ります。さらに、肩甲骨を動かすストレッチやウォーキング、水泳などの適度な運動といった予防法、痛み止めや湿布、リハビリテーションなどの保存療法、そして手術が必要なケースについても触れ、四十肩と五十肩の予防と治療に関する具体的な方法もご紹介します。この記事を読むことで、四十肩と五十肩に関する正しい知識を身につけ、適切な対処法を知ることができます。

1. 四十肩と五十肩の違い

「四十肩」「五十肩」と呼び名は違いますが、医学的にはどちらも同じ「肩関節周囲炎」のことを指します。では、なぜ呼び名が違うのでしょうか?この章では、四十肩と五十肩の違いについて詳しく解説していきます。

1.1 四十肩とは

1.1.1 四十肩の正式名称と定義

四十肩の正式名称は肩関節周囲炎です。肩関節周囲の筋肉や腱、靭帯などが炎症を起こし、肩の痛みや動かしにくさを引き起こす状態を指します。加齢とともに肩関節周囲の組織が老化し、柔軟性が低下することで発症しやすくなると考えられています。四十肩は、40歳前後に発症することが多いことからその名前が付けられました。

1.1.2 四十肩の症状の特徴

四十肩の主な症状は、肩の痛みと可動域制限です。痛みは、夜間や安静時に強くなることが特徴です。また、腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になります。症状の進行には個人差があり、数週間で軽快する場合もあれば、数ヶ月から数年続く場合もあります。

1.2 五十肩とは

1.2.1 五十肩の正式名称と定義

五十肩も四十肩と同様に、正式名称は肩関節周囲炎です。肩関節周囲の組織の炎症によって、肩の痛みや動かしにくさが生じます。五十肩は、50歳前後に発症することが多いことから、その名前が付けられました。

1.2.2 五十肩の症状の特徴

五十肩の症状も四十肩とほぼ同じで、肩の痛みと可動域制限が主な症状です。夜間痛や安静時の痛みも特徴です。腕を上げたり、後ろに回したりする動作が難しくなります。症状の経過も四十肩と同様に個人差があり、数週間から数年続くこともあります。

1.3 四十肩と五十肩、何が違う?

1.3.1 発症年齢の違いは絶対?

四十肩と五十肩の最も大きな違いは、名前の由来となった発症年齢です。四十肩は40歳前後、五十肩は50歳前後に発症することが多いとされています。しかし、これはあくまで目安であり、30代や60代で発症することもあります。発症年齢だけで四十肩か五十肩かを厳密に区別することはできません

1.3.2 症状の重さや期間に違いはある?

四十肩と五十肩の症状の重さや期間に明確な違いはありません。どちらも肩の痛みや可動域制限といった共通の症状が現れます。症状の進行や回復のスピードには個人差があり、軽症で済む場合もあれば、重症化して長期間続く場合もあります。

項目四十肩五十肩
正式名称肩関節周囲炎肩関節周囲炎
発症年齢40歳前後50歳前後
主な症状肩の痛み、可動域制限、夜間痛肩の痛み、可動域制限、夜間痛
症状の重さ・期間個人差あり個人差あり

このように、四十肩と五十肩は医学的には同じ「肩関節周囲炎」であり、症状や原因に大きな違いはありません。発症年齢もあくまで目安であり、年齢だけで区別することはできません。大切なのは、肩に痛みや違和感を感じたら、年齢に関わらず早めに専門家に相談することです。

2. 四十肩と五十肩の症状

四十肩・五十肩の症状は、経過とともに変化していきます。初期、中期、後期、それぞれの段階でどのような症状が現れるのか詳しく見ていきましょう。また、四十肩と五十肩に共通する症状、異なる症状についても解説します。

2.1 初期症状

初期症状は、肩の違和感や軽い痛みから始まります。特定の動作をした時に痛みを感じることが多く、安静にしていると痛みは治まることが多いです。この段階では、まだ症状が軽いため、放置してしまう人も少なくありません。しかし、初期症状を見逃すと、症状が悪化し、回復に時間がかかる可能性があります。早期発見・早期治療が重要です。

2.1.1 痛みはじめのサインを見逃さないために

初期の痛みは、「肩こりかな?」と勘違いしてしまう人もいます。肩こりと四十肩・五十肩の痛みの違いを理解し、痛みはじめのサインを見逃さないようにしましょう。

症状肩こり四十肩・五十肩
痛みの種類鈍痛、重だるい感じ鋭い痛み、ジンジンする痛み
痛みの範囲首から肩、背中にかけて広範囲肩関節周辺に集中
痛みの持続時間慢性的に続く特定の動作で痛みが増す
腕の動き比較的スムーズに動かせる腕を上げたり、後ろに回したりすると痛みが出る

2.2 中期症状

中期になると、痛みは徐々に強くなり、安静時にも痛みを感じるようになります。腕を動かす範囲も狭くなり、日常生活にも支障が出てきます。特に、夜間痛が強くなることが特徴です。

2.2.1 日常生活への影響

中期症状では、着替えや髪を洗う、高いところの物を取るなどの動作が困難になります。また、就寝時に痛みで目が覚めるなど、睡眠にも影響が出ることがあります。日常生活に支障が出ることで、精神的なストレスも増加する可能性があります。

2.3 後期症状

後期になると、痛みは徐々に軽快していきます。しかし、肩関節の動きが制限されたままの場合があります。この状態を拘縮といいます。拘縮を予防するためにも、適切なリハビリテーションが重要です。

2.3.1 回復期に見られる症状の変化

回復期には、痛みは軽減しますが、肩の可動域が狭く、日常生活での動作に制限が残る場合があります。焦らずに、無理のない範囲でリハビリテーションを続けることが大切です。

2.4 四十肩・五十肩に共通する症状

四十肩と五十肩で共通する主な症状は、夜間痛と可動域制限です。これらの症状は、日常生活に大きな影響を与えます。

2.4.1 夜間痛

夜間痛は、就寝時や夜中に肩の痛みで目が覚めてしまう症状です。痛みのために睡眠不足になり、疲労が蓄積してしまうことがあります。横向きで寝ると痛みが増すことが多いです。

2.4.2 可動域制限

可動域制限とは、肩関節の動きが悪くなる症状です。腕を上げたり、後ろに回したりする動作が難しくなります。結帯動作(帯を結ぶ動作)、結髪動作(髪を結う動作)などに支障が出ます。

2.5 四十肩・五十肩で異なる症状はある?

四十肩と五十肩で異なる症状はほとんどありません。症状の重さや期間には個人差がありますが、基本的には同じような症状が現れます。五十肩の方が症状が重い、あるいは長引くという医学的な根拠はありません

3. 四十肩と五十肩の原因

四十肩と五十肩は、肩関節周囲の炎症や組織の変性によって引き起こされますが、その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられています。加齢による変化や生活習慣の影響、遺伝的要因や外傷、他の疾患などが関係している場合もあります。以下で詳しく見ていきましょう。

3.1 加齢による変化

加齢に伴い、肩関節周囲の組織は徐々に変化していきます。腱や靭帯、関節包などの組織は弾力性を失い、硬くなっていくため、炎症を起こしやすくなります。

3.1.1 肩関節周囲の組織の老化

肩関節は、関節包、腱板、靭帯、滑液包など、様々な組織で構成されています。これらの組織は、加齢とともに弾力性や柔軟性を失い、摩耗しやすくなります。特に、腱板と呼ばれる肩のインナーマッスルは、加齢とともに損傷しやすく、四十肩・五十肩の原因となることが多いです。腱板の損傷は、肩の痛みや可動域制限を引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。

3.2 生活習慣の影響

日常生活における特定の動作や習慣も、四十肩・五十肩の発症リスクを高める可能性があります。

3.2.1 姿勢や運動不足

猫背などの悪い姿勢や運動不足は、肩関節周囲の筋肉を弱らせ、血行不良を引き起こします。 これにより、肩関節の柔軟性が低下し、炎症が起こりやすくなります。デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、同じ姿勢を長時間続けることも、肩への負担を増大させ、四十肩・五十肩のリスクを高める要因となります。

3.2.2 同じ肩への負担

野球やテニス、バレーボールなどのスポーツや、重い荷物を同じ側の肩で持ち続ける作業など、特定の動作を繰り返すことで、肩関節に過度な負担がかかり、炎症や損傷を引き起こす可能性があります。日常生活でも、バッグをいつも同じ肩にかける、同じ側の腕で赤ちゃんを抱っこするといった習慣も、四十肩・五十肩の原因となることがあります。

3.3 その他原因

加齢や生活習慣以外にも、四十肩・五十肩の発症に関連する要因がいくつか考えられています。

3.3.1 遺伝的要因

四十肩・五十肩の発症には、遺伝的な要因も関与していると考えられています。家族に四十肩・五十肩になった人がいる場合、自身も発症するリスクが高まる可能性があります。ただし、遺伝的要因だけで発症が決まるわけではなく、生活習慣や他の要因も複雑に絡み合っています。

3.3.2 外傷や病気

肩関節の脱臼や骨折などの外傷、または糖尿病や甲状腺疾患などの病気が、四十肩・五十肩の引き金となることがあります。これらの病気は、肩関節周囲の組織の炎症や変性を促進し、痛みや可動域制限を引き起こす可能性があります。

原因詳細
加齢肩関節周囲の組織の老化、弾力性の低下
姿勢の悪さ猫背などにより肩関節周囲の筋肉が弱化、血行不良
運動不足肩関節の柔軟性低下、炎症を起こしやすい状態
同じ肩への負担特定のスポーツ、重い荷物、同じ側の腕での抱っこなど
遺伝的要因家族歴がある場合、発症リスクが高まる可能性
外傷肩関節の脱臼や骨折
病気糖尿病、甲状腺疾患など

これらの要因が単独または複合的に作用することで、四十肩・五十肩が発症すると考えられています。自身の生活習慣を見直し、予防に努めることが大切です。

4. 四十肩と五十肩の語源

「四十肩」「五十肩」…どちらも肩の痛みを表す言葉としてよく耳にしますが、その語源はどこから来ているのでしょうか?実は、医学的な正式名称ではなく、俗称として広く使われている言葉なのです。この章では、それぞれの語源や「四十肩」「五十肩」という言葉の由来について詳しく解説していきます。

4.1 四十肩の語源

四十肩は、一般的に40歳前後で発症することが多いことから、「四十肩」と呼ばれるようになりました。医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、特定の病気を指す言葉ではありません。様々な原因で肩関節周囲に炎症や痛みを生じる状態を総称した呼び方です。

4.1.1 なぜ「四十」肩と呼ばれるのか

昔は、肉体労働が多く、40歳くらいになると肩の痛みが出始める人が多かったため、その年代と結びつけて「四十肩」と呼ばれるようになったという説が有力です。加齢とともに肩関節周囲の組織が老化し、炎症を起こしやすくなることも関係していると考えられます。

4.2 五十肩の語源

五十肩も四十肩と同様に、50歳前後で発症することが多いことから、「五十肩」と呼ばれるようになりました。医学的には四十肩と同じ「肩関節周囲炎」に分類されます。

4.2.1 なぜ「五十」肩と呼ばれるのか

五十肩も四十肩と同様、加齢による肩関節周囲の組織の老化が原因の一つと考えられています。50歳という年代に差し掛かると、より組織の老化が進み、肩の痛みが発症しやすくなるため、「五十肩」という呼び方が定着したと考えられます。

4.3 「四十肩」「五十肩」という言葉の由来

「四十肩」「五十肩」という言葉は、江戸時代後期にはすでに存在していたという記録が残っています。当時は「四捨五入」という言葉があり、40歳以上はまとめて40歳代として扱われていたことから、40歳前後で発症する肩の痛みを「四十肩」と呼ぶようになったという説もあります。同様に、50歳前後で発症する肩の痛みは「五十肩」と呼ばれるようになりました。

呼び方医学的名称主な発症年齢語源の由来
四十肩肩関節周囲炎40歳前後40歳前後で発症することが多い、肉体労働、加齢による組織の老化
五十肩肩関節周囲炎50歳前後50歳前後で発症することが多い、加齢による組織の老化

このように、「四十肩」「五十肩」という言葉は、発症年齢に基づいた俗称であり、医学的には同じ「肩関節周囲炎」として扱われます。年齢はあくまで目安であり、30代や60代以降で発症することもあります。重要なのは、年齢にとらわれず、肩に痛みを感じたら早めに適切なケアをすることです。

5. 四十肩と五十肩の予防法

四十肩・五十肩は、肩関節周囲の炎症や組織の損傷によって引き起こされる痛みを伴う症状です。加齢とともに発症リスクが高まりますが、適切な予防策を実践することで、発症を遅らせたり、症状を軽減したりすることが可能です。日頃から肩周りの健康に気を配り、積極的に予防に取り組みましょう。

5.1 ストレッチ

肩甲骨を動かすストレッチは、肩関節の柔軟性を高め、四十肩・五十肩の予防に効果的です。肩甲骨は、鎖骨や上腕骨、肋骨と繋がっているため、肩甲骨を意識的に動かすことで、周辺の筋肉や関節の動きをスムーズにすることができます。下記に具体的なストレッチ方法をいくつかご紹介します。

5.1.1 肩甲骨を動かすストレッチ

ストレッチ名やり方回数ポイント
肩回し両腕を大きく回します。前回し、後ろ回しをそれぞれ行います。前後10回ずつ肩甲骨を意識して大きく回す
肩甲骨寄せ両手を後ろで組み、肩甲骨を中央に寄せるように胸を張ります。10秒キープ×3回背筋を伸ばし、肩を下げる
腕の上げ下げ両腕を頭上にまっすぐ伸ばし、ゆっくりと上下に動かします。10回無理なく動かせる範囲で行う
タオルストレッチタオルの両端を持ち、頭の上を通して背中に回します。上下にタオルを動かし、肩甲骨を動かします。10回無理なく動かせる範囲で行う

これらのストレッチは、毎日継続して行うことが大切です。入浴後など体が温まっている時に行うと、より効果的です。痛みがある場合は、無理せず行うようにしてください。

5.2 適度な運動

適度な運動は、血行を促進し、肩関節周囲の筋肉を強化する効果があります。ウォーキングや水泳など、全身を動かす有酸素運動は、肩への負担も少なく、効果的に肩周りの筋肉を鍛えることができます。また、ヨガやピラティスなども、柔軟性を高め、体幹を強化する効果があり、四十肩・五十肩の予防に繋がります。

5.2.1 ウォーキングや水泳

ウォーキングは、特別な道具や場所を必要とせず、手軽に始めることができる運動です。正しい姿勢を意識して、1日30分程度を目安に行いましょう。水泳は、浮力によって肩への負担が軽減されるため、肩に痛みがある方にもおすすめです。水中ウォーキングやクロールなど、無理のない範囲で継続して行うようにしましょう。ただし、泳ぎ方に偏りがあると特定の筋肉に負担がかかるため、様々な泳ぎ方をバランスよく行うことが大切です。

運動を行う際は、痛みが出ない範囲で強度や時間を調整し、無理のない範囲で行うことが重要です。急に激しい運動を始めると、逆に肩を痛めてしまう可能性があります。徐々に運動量を増やしていくようにしましょう。

5.3 日常生活での注意点

日常生活での何気ない動作や姿勢が、四十肩・五十肩の原因となることがあります。日頃から正しい姿勢を意識し、肩への負担を軽減することが大切です。

5.3.1 正しい姿勢を保つ

猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の動きを制限し、肩関節周囲の筋肉に負担をかけます。常に背筋を伸ばし、胸を張ることを意識しましょう。デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、軽いストレッチを行うように心がけましょう。

5.3.2 同じ姿勢を長時間続けない

デスクワークや家事などで、同じ姿勢を長時間続けることは、肩関節周囲の筋肉の緊張を高め、血行不良を引き起こします。1時間ごとに数分程度の休憩を取り、軽いストレッチや軽い運動を行う、軽い体操を取り入れる、または simply simply 肩を回すなどの軽い運動を取り入れることで、筋肉の緊張をほぐし、血行を促進しましょう。また、作業中はこまめに姿勢を変えることも効果的です。立ったり座ったりを繰り返したり、軽いストレッチを挟んだりすることで、肩への負担を軽減することができます。

四十肩・五十肩は、適切な予防策を実践することで、発症リスクを低減し、健康な肩を維持することができます。ご紹介したストレッチや運動、日常生活での注意点などを参考に、日頃から肩周りのケアを心がけましょう。

6. 四十肩と五十肩の治療法

四十肩・五十肩の治療は、自然治癒を待つ保存療法が基本です。痛みの程度や生活への支障、症状の期間などを考慮して適切な治療法を選択します。

6.1 保存療法

保存療法は、手術をせずに痛みや炎症を抑え、肩関節の動きを改善する治療法です。多くの場合、保存療法で症状が軽減されます。

6.1.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、次のような薬が用いられます。

薬の種類効果
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)痛みや炎症を抑える
ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)痛みや炎症を抑える代表的なNSAIDs
アセトアミノフェン(カロナール)解熱鎮痛作用があり、胃への負担が少ない

6.1.2 注射

痛みが強い場合や、薬物療法の効果が不十分な場合には、肩関節周囲に注射を行うことがあります。

注射の種類効果
ステロイド注射炎症を抑え、痛みを軽減する効果が高い
ヒアルロン酸注射関節の動きを滑らかにする

6.1.3 リハビリテーション

肩関節の動きを改善し、再発を予防するために重要です。理学療法士の指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングなどを行います。

リハビリテーションの種類効果
ストレッチ肩関節周囲の筋肉の柔軟性を高める
筋力トレーニング肩関節周囲の筋肉を強化する
運動療法肩関節の可動域を広げる

温熱療法や電気療法などの物理療法を併用することもあります。

6.2 手術療法

保存療法で効果が得られない場合や、肩関節周囲の組織に重大な損傷がある場合には、手術療法が検討されます。ただし、四十肩・五十肩で手術が必要になるケースは稀です。

6.2.1 関節鏡手術

小さな切開部から関節鏡というカメラを挿入し、肩関節内部の状態を確認しながら行う手術です。関節内の癒着を剥離したり、損傷した組織を修復したりします。傷が小さく、体への負担が少ないのが特徴です。

四十肩・五十肩の治療は、早期に開始することが重要です。症状が軽いうちから適切な治療を受けることで、早期回復や再発予防につながります。肩に痛みや違和感を感じたら、我慢せずに専門機関を受診しましょう。

7. まとめ

四十肩と五十肩は、肩関節周囲の炎症によって引き起こされる痛みや可動域制限といった症状が現れる疾患です。医学的にはどちらも「肩関節周囲炎」と呼ばれ、明確な違いはありません。四十肩は40代、五十肩は50代に発症しやすいことから、このように呼ばれていますが、30代や60代以降に発症することもあります。発症年齢による症状の重さや期間に明確な違いはありません。

主な原因は加齢による肩関節周囲の組織の老化ですが、姿勢の悪さや運動不足、同じ肩への負担といった生活習慣も影響します。遺伝的要因や外傷、他の病気が原因となる場合もあります。

予防には、肩甲骨を動かすストレッチやウォーキング、水泳などの適度な運動が効果的です。日常生活では正しい姿勢を保ち、同じ姿勢を長時間続けないように心がけましょう。発症してしまった場合は、痛み止めや湿布などの保存療法が一般的ですが、症状が重い場合はリハビリテーションや手術療法が必要となることもあります。早期発見・早期治療が重要ですので、肩に違和感を感じたら整形外科を受診しましょう。

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